秋の特別展「大名と菩提所」は前日に会期を終えました。菩提所の様相から近世の将軍家・大名家の特質を描き出す展示会でしたが、これと関連のあるテーマで友の会プレミアム講座を開催できました。江戸と日光をつなぐ日光道中ができて400年とされる今年に相応しいテーマでもあります。曇天のやや肌寒い午後でしたが、48名が参加されました。講師は当館の山田拓実学芸員です。日本近世史がご専門で、特に日光道中千住宿の研究を手始めに今の埼玉県域の宿駅の動向を明らかにする研究へと展開されています。
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 お話は3部構成でした。(1)日光道中・御成道とは? では、五街道の一つとされる日光道中とその脇往還としての日光御成道の成立の歴史や宿駅の役割を解説していただきました。特に宿駅のもつ継飛脚としての役割を改めて強調されました。(2)の日光社参 では、全19回の社参のうち14回が家光期までに集中し、18世紀以降は僅か3回ですが、日光山の維持による「御威光」の重要性は変わらず重視されています。(3)の「御霊屋」を守る~稲生家文書から~ では、埼玉県域に知行所をもっていた稲生家の文書が県立文書館にほぼ完全な状態で73冊の日記として 保存されていることにオドロキ! 1744~1753年にほぼ半年交代で日光奉行を務めた稲生正延の職務日記には、人・モノ・書状の往来がかなり細かく書かれており、関連した人との関係性も伺えるようです。また、将軍吉宗の側御用役らを通じて日光奉行に指示された朝鮮人参に関するやり取りなど、吉宗の関心が高かった本草学の観点からの興味深い出来事も記されている。稲生家文書の研究が進めば今後も新しい発見を期待できそうです。  (nimo) 


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