友の会主催・博物館協力の講演会「伊奈忠次~現代日本の基礎を作った総代官」が2025年2月23日(日)、開かれました。講師の和泉清司先生(高崎経済大学名誉教授)には昨年11月の講演会「大久保長安~鉱山開発・街道整備に残した実績と謎の生涯」に続く連続講演ということになります。ひとつのテーマでも内容はたくさんあるわけで、今後、こうした連続公演もあっていいのではないかと思います。

参加者が130名を超える講演会というのは最近ではほとんどなかったことで、会場の混雑を心配しましたが、役員の方のご協力で何事もなく無事に終わることができました。会場も思ったほど熱くなく、空調機器改修の効果でしょうか。

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今回のテーマは『伊奈忠次~現代日本の基礎を作った総代官』ということで、その人物については歴史好きの人なら知っているかと思います。そう有名な、歴史の中の大人物でもないですが、江戸時代というテーマや埼玉県になじみの深い人物だったことも多くの参加者の要因だったのかもしれません。2019年ころからコロナの影響で減少していた集会や講演がようやく復活しはじめ、冬のインフルエンザもひといき、春の予感の中で出かける気になった人が多かったのでしょうか。

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伊奈忠次というのは、江戸時代のはじめ、まだ徳川家康が「天下人」となる前の三河時代の忠臣で、秀吉政権時代から優秀な才能を発揮して頭角を現わし、特に、江戸に移ったあと、家康のもとで筆頭総代官として大変重要な検地や新田開発、水運、河川改修に取り組み、幕府創成期の財政・社会基盤確立に大きな貢献をした人物です。戦乱が終わり、平和な時代になり社会の大きな発展が求められていたこの時期、日本中の国土改革に大きな貢献をしました。関東地方でも、俗にいう利根川東遷、荒川西遷という当時乱流していたの大河川の改修・付け替えはじめ、知行割、寺社政策などその果たした役割は江戸時代を超え、現在日本のインフラをつくったとの評価もあります。現在も関東各地に残る「備前堀」や「備前堤」と呼ばれる運河や堤防はいずれも忠次の官位「備前守」に由来しています。忠次の子、忠治も代官として後を次ぎ、伊奈氏は2代にわたり役目を果たします。

和泉先生も熱の入った講演で、何人かの参加者から、わかりやすく面白かったという感想をいただきました。

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