2023年11月9日(木)、友の会が主催するバス見学会が4年ぶりに快適な気候のなか開催されました。目的地は、午前・ひたちなか市中根に所在する虎塚古墳、十五郎穴横穴墓群、ひたちなか市埋蔵文化財調査センター。午後・大洗町磯浜町に所在する磯浜古墳群。その後移動して、水戸市塩崎町に所在する水戸市埋蔵文化財センター、大串貝塚ふれあい公園です。

午前8時過ぎ、参加者40名を乗せて正座席49人乗大型バスがソニックシティビル脇から出発しました。常磐自動車道を通って、予定していた10時半前にひたちなか市埋蔵文化財調査センター駐車場へ到着しました。

ここ虎塚古墳は壁画が発見されて50年(1974年国指定史跡)になり、また本年、十五郎穴横穴墓群が国指定史跡になったことから、見学者が急増して品切れのパンフレットも出ているとのことです。

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秋の壁画公開は8日間だけ。見学者が多い中、はとバスの団体ツァーも来る。その到着前に壁画を見ておきたいということで、事前に知らされていた3グループ編成から2グループ編成の班別行動に急きょ変更になりました。文化財調査事務所の田中さん他1名がグループと一緒に歩いて解説をしていただきました。

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虎塚古墳石室内のベンガラの赤色は鮮烈な印象を持ちました。観察室の端に置かれていた扉石に古代の歴史を想像してみました。十五郎穴横穴墓群は確認できたものでも270基余りを数え、東日本最大級です。蕨手刀や金銅装の刀子が出土しており、埋蔵文化財調査センターに展示されていました。

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十五郎穴や虎塚の名前の由来は伝承があります。鎌倉時代の曽我十郎・曽我五郎の仇討ちで有名な兄弟がこの地まで逃れて、この穴に隠れて住んでいたという言い伝えがあります。また、十郎の愛妾、虎御前が訪ねて来てこの地で亡くなり、埋葬された塚を彼女の名前から「虎塚」と呼ぶようになったとの伝承です。

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昼食は、那珂湊で海鮮丼を賞味しました。ボリューム満点でした。目の前はおさかな市場があり、買物をしてバスに積み込みました。

午後、大洗町磯浜古墳群前にバスが到着すると、教育委員会文化財係の連絡を取り合っていた栗原さん、体調不良で本日来られなくなった蓼沼係長の代わりに解説をしていただいた坂本さんが迎えに来ていました。

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国指定史跡磯浜古墳群は3世紀後半築造の姫塚古墳から始まり4世紀後半築造の車塚古墳まで、茨城の古墳時代の幕開けを告げる古墳が並んでいます。車塚古墳や日下ケ塚古墳は上に登って解説を受けました。直径88メートルの大型円墳である車塚古墳はまだ完全に整備されておらず、墳丘上の雑草の中に散在する葺石が妙にリアルです。天保時代に水戸藩がつくった磯浜海防陣屋のあった「おでぃば山」から眺望する大洗の街や海が清々しい。

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わかりやすく話をしていただいた坂本さんらに感謝をして、最後の水戸市埋蔵文化財センターへ向かいました。

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大森貝塚から出土した貝殻、釣針、深鉢ほかを館内で見学しましたが、15世紀水戸城の埋納銭、江戸後期の私塾から出土したオランダ陶器碗やコバルト染付便器があったのがおもしろい。ふれあい公園内にある高さ15メートルのダイダラボウ像が、埋文館内に小さくして置いてありました。

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帰路は、常磐道などで事故が重なって渋滞していましたが、1時間遅れで無事ソニックに戻りました。 (山本記)

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