まち歩きクラブは「見沼用水と2つの富士塚と調整池のハクチョウ」を2023年(令和5年)1月27日(金)に行いました。いうもでもなく一年のうち一番寒い時期であり、野外を3時間近く歩く健脚向け>としましたから参加者は多くないとみていましたが、応募は16名、実際の参加者は12名でした。10時、JR武蔵野線・東浦和駅に集合、おなじみの顔も多く、数が少ないだけに和気あいあいの雰囲気です。曇り空ですが風はなく、思ったより寒くはありません。

この日のコースは東浦和駅から見沼低地への坂を下ってすぐに流れる見沼用水から始まり、用水公園を通って通船掘を見学、木曽呂の富士塚、東沼神社の富士塚さらに見沼自然公園で休憩・昼食のあと、芝川調整池で目的(?)のハクチョウを観察してみようというものです。

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芝川へ連絡運河となる通線堀は河川工事のため水が抜かれていましたが、夏の観光シーズン?には間に合うのでしょうか。途中、水神社、通船
差配役の鈴木家などの歴史的遺産も訪れ、この運河の規模の大きさを再確認しました。運河の先端は見沼用水東縁、その段丘上にそびえるのが木曽呂の富士塚(川口市)です。最近は手入れが行われ、少しは見栄えが良くなりましたが、国指定の重要文化財でありながら志木の田子山富士塚にくらべ保存状況はあまり良くないように思われます。それでも低地側から見ると相当に高く、鳥居のある正面からみると風格もあります。
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用水沿いに歩いて見沼自然公園を超えると、これも小高い段丘に位置し、豪華な社殿を持つ東沼神社が見えます。その境内に立つ富士塚はかつて存在していた塚を近年になって復元したものです。近接する2つの富士塚はこの地での富士講の隆盛ぶりを偲ばせます。この富士山には登山道に手すりがあって登りやすいですが「頂上で参拝してお賽銭を出さないひとは登山禁止」など雰囲気を壊す看板が立ててあり、ちょっと興ざめ。この神社は他にも個人的見解みたいな(ちょっと笑ってしまう)注意が多いという珍しい宗教施設です。

また用水に戻り、見沼自然の家前の農地から、いよいよ芝川調整池に向かいます。東浦和からもすぐ近いこの芝川調整池は、さいたま市の東部に広がる見沼田圃にあります。芝川というのは大宮台地の流れる中小河川で、私の少年時代は(当時はどこでもそうでしたが)水質汚染が進み、あまり評判のよい川ではありませんでした。さらに周囲の市街化とともに洪水を繰り返すようになり、そのために造られたのがこの調整池です。東京の方に向かって左側(左岸)の調整池はかなり前に完成しており、反対側(右岸)も現在工事中です。この調整池は建設当初から埼玉県生態系保護協会などとの連携で洪水調整を主としながらビオトープ的要素も併せ持っことになっていまして、自然護岸であることはもちろんですが、周囲には人工的な森林も配備されています。池を一周する堤防上の遊歩道がありますのでゆっくり歩いて1時間以上、春夏秋冬の自然景観を楽しめる場所になっています。池と周囲にはかなり多くの動植物が生息していると思われますが、当然ながら水鳥が多く、そんななか10年以上前から冬季のオオハクチョウ(とのことです)の飛来が観測されるようになり、今では関東最南部の飛来地としてけっこう有名になっています。
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さて、この日はどうかと期待しながら湖面を見ながら歩きだします。じつは12月にここに下見に来たのですが、その時には2羽いるという話は聞いたのですが、自分たちの目で直接確認することはできませんでした。ハクチョウは風が強いと池の中にあるいくつかの小島の間に隠れてしまうようです。この日はほぼ無風でしたから期待してたのですが、毎年いる南側の小島付近に近づいてもいそうもありません。しかしそこは複数の眼です。「向こうに白い点が見えます」との声。確かに、われわれの立っているのと反対側の岸のアシの茂みの前に大きな白点が確認できます。双眼鏡でのぞいていた会員が「泳いでいます。ハクチョウですかね」。双眼鏡を借りてみてみると確かに首をあげて泳ぐ大きな鳥。これはまさしくハクチョウです。望遠機能のついたカメラで撮影している会員がいて、写した画像を拡大してみると黄色いくちばしのハクチョウが2羽、なかよく泳いでいる姿が記録されています。池の他の場所を見渡してみても、どうも今年はこの2羽しか来ていないみたいで、全員で観測できたことに感謝、大喜びです。

この日の見学は2つの富士山とハクチョウという組み合わせで大変面白いものになったのではないでしょうか。

(筑井 記)


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