昨年度から2年にわたって殆ど活動を停止していたイベント・プレミアム講座を久々に実施しました。(昨年度は2020.11.18 新井浩文学芸主幹による「新収集品展より」一件のみ開催。1年前の1月に予定した講座は緊急事態宣言期間の延長により直前に中止。今年度は初めての計画。) 今回は村田章人館長のご専門分野・縄文時代の研究史にも関わる内容で、縄文土器を根源から問い直すテーマです。定員制限の中でも64名の多くの方にご出席いただきました。
タイトルにあるとおり、縄文土器の根幹を理解するために昭和初期の山内清男の研究などを例に、博物館で展示品に添えられたキャプションをどう読み取るかなどを具体的に説明されました。考古学の研究発展史にも関連して専門用語の命名の仕組みを分かり易く教えていただきました。また、縄文の文様がどのようにつけられたかを紙のこよりを使って簡単に実験する方法も伺いました。
約1万年の長きにわたり、日本各地に様々な形態の縄文土器を生み出していることをどう理解すべきか?単に”日本の美の原点”と一括りに言っていいのか?その後の日本人の感性との差に釈然としない講師の感想も最後に吐露され、味わい深い講座を終えました。
なお、本講座のテーマに因んで、当会の岩井会長が保管されている縄文土器3点(氷川神社の遺跡から発掘)を展示しました。
プレミアム講座の受付風景。 関係者の配慮により無事開催できました。 (nimo)