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年初から始まった企画展「縄文時代のたべもの事情」も残り少ない開催期間となりましたが、関心の高い縄文ファンを連日惹き付けています。この企画展開催に尽力されている学芸員の尾崎沙羅さんから展示のツボを直接伺う機会を兼ねて今回のプレミアム講座でお話いただき、66名が集いました。
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講師の尾崎さんは考古学、特に旧石器時代がご専門で、お話の口火も旧石器時代と縄文時代との比較から始まります。縄文時代に入ってからの著しいモノは土器と住居と墓にあることが分るが、縄文海進により埼玉に海が入り込む地形が遺跡の分布と直結しており、生活の基本となる食事の解明もそれらの遺跡をしらべることで分かってきた。
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特に埼玉に多く出土するヤマトシジミ(汽水域産)などの貝類は破砕されずにきれいに開いていることから、土器などを使って煮て食べたらしい。クルミやトチノキなどの植物利用に加えて、各種ベリー類やツルマメなどの豆類やツルボなどの球根(鱗茎)の利用もあったそうだ。近年、「炭素窒素安定同位体比分析」という手法の化学分析を古人骨に適用して、死ぬ前の10年間にどういう食生活をしていたかを探ることも可能になったという。時期と地域によって動物系と植物系の摂取の割合が異なる例も提示され、大変興味深かった。今後の研究成果が楽しみでもある。
さらに、北本市のデーノタメ遺跡は関東地方最大級の大規模集落(長径210mの環状集落)であり、保存性に有利な低湿地部からは木製品、漆製品、植物遺存体などが出て注目度が高い。(nimo)
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