参加者は22名。まずは江古田富士。西武池袋線で江古田駅に移動します。駅前からすぐ、浅間神社内にある富士塚の叢林が目に入ります。富士塚は高さ約8m、直径約30m。江戸時代後期に下練馬村・中新井村・中村の各講により構成される「小竹丸祓講」によって天保10年(1839年)に築かれたものと考えられます。関東大震災によって損壊しましたが、その後、復旧工事が行なわれ、国指定の重要有形民俗文化財に指定されています。今回、練馬区文化・生涯学習課および氷川神社の協力で富士塚内の見学・登拝が可能になりました。全員で富士塚内に入り、全体を観察、大変立派な造営で管理がよく行われていることもわかります。頂上にある奥宮にもお参り、当時はこの宮社の正面に富士山が見えたのでしょう。

次いでJR総武線千駄ヶ谷駅へ。ここには都指定重要有形民俗文化財である千駄ヶ谷富士があります。塚のある鳩森八幡神社は駅より徒歩5分くらいの近さです。池を前景にした庭園の様に見える富士塚で、寛政元年(1789)の築造と言われます。高さ約6m。頂上に至る登山道は自然岩を用いた階段となっており、山腹にはクマザサも植えられています。麓に里宮(浅間社)、身祿様、烏帽子岩が置かれ、山頂には奥宮があります。ここで記念撮影後、全員で参拝登山をしました。


境内を出て、坂を下ると今年のオリンピックのメイン会場となる新国立競技場が巨大な姿を見せています。1週すると大変なので、全体の4分の1ほどを見上げるようにして通り過ぎながらの見学です。複数のテラスの上に植栽がされ、垂木部分に木材を使った独特のデザインです。私はかなり良いデザインと思いますが、参加者はそれぞれの感想があったようです。

3番目はJR鶯谷駅へ。ここから10分ほどにあるのが小野照崎神社の富士塚、通称下谷坂本富士です。残念ながら安全のため富士塚内に入ることはできませんでしたが、1828年(文政11年)建造で、高さ6mの堂々たる風格。苔むした溶岩に歴史を感じます。ここも建設時の形態をとどめるとして、国の重要有形民俗文化財に指定されています。

境内には古い庚申塔もあります。『江戸名所図会』にはこの富士塚ではなく境内の入谷庚申堂のことが出ています。日本三庚申となっていますが、日本三庚申とは京都の金剛寺(八坂庚申堂)、大阪の四天王寺庚申堂、東京の入谷庚申堂だと言われているようです。
最後は、JR東十条駅に移動し、線路を渡り、地蔵坂を登った古道の脇にある東京富士塚通称十条富士です。ここは塚自体が富士神社になっています。かなり大きく伊藤元講などの建てた石造物が、30数基あります。遅くとも、天保11年(1840)10月には冨士塚として利用されていたと推定されています。

他の富士塚に比べ、保存状態はあまりよくないようですが、ここで行われる7月の山開きの行事は大変盛大な地域の年中行事になっているそうで地元で愛されている富士塚であることは確かなようです。ここで本日は解散。それぞれ十条、東十条に向かいました。(筑井 記)
【区分】 | ■友の会「まち歩き研究会」■ |
【日時】 | 2022年(令和4年)1月7日(金) 10時00分~15時00分頃 |
【集合】 | 東武東上線・川越駅改札前 午前10時 集合 雨天中止 |
【内容】 | 仏教・道教・土着神の祭ってあるお寺を順にお参りし市内をほぼ一巡します。七福神は宗教にこだわらない日本の伝統的民俗で、川越では江戸時代以来の歴史があります。歩行は3~4時間を予定 |
【行程】 | ①妙善寺(毘沙門天)⇒②天然寺(寿老人)⇒③喜多院(大黒天)⇒④成田山(恵比寿天)⇒⑤蓮謦寺(毘沙門天・ここで昼食休憩)⇒⑥見立寺(布袋尊)⇒⑦妙昌寺(弁財天)⇒東武東上線川越市駅 |
【費用】 | 交通費は各自負担。保険と参加費用:300円 |
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