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本年度最終(5回目)のプレミアム講座は、第7室(江戸時代)の常設展示室で特集展示されている旗本・水野氏と寄居の昌国寺に関するお話を中村陽平学芸員から伺いました。すっかり春めいた暖かい午後、71名の方にご参加いただきました。
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旗本の全体像(総数約5200名中、100~500石の低い石高の者が6割で、時代とともに家計の苦労が増す。武蔵国が21%の知行を占める。)や、埼玉に関連する著名な旗本(内藤正成、新井白石、山岡鉄舟、大岡忠相、小栗上野介忠順)の紹介などが初めにありました。
初代の水野長勝は徳川家康と従兄弟関係にあり、北条の鉢形城落城後に遺臣団を懐柔する役割を期待されて取り立てられたらしい。代々の加増により、水野氏は最終的に6700石を有する大身旗本になる。旗本江戸屋敷割により、早い時代から旗本は江戸に居住するようになり、知行所も移り変わっていく中で、水野氏は初代が開基した昌国寺を菩提寺とした。当主や奥方の薨去時には、江戸から寄居まで遺骸を運んで昌国寺で弔う一方、住職の任免にも関わる”家のお寺”としての扱いが顕著です。地域に寄り添ったというのは寄っ掛かったという側面も大きいとのこと。今後の調査・研究の成果を知る機会があれば、楽しみです。
講座後にいただいた参加者からのアンケートでは、時間の短さを感じる方が多く、1.5時間をかける講座も弾力的に検討できないか、今後の課題です。
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年度末にあたり、会員の登録更新が進んでいます。当日も多くの方が更新手続きにご協力いただき、共に学ぶ機会を継続できることになりました。
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この16日(土)から始まる特別展「東国の地獄|極楽」(5月6日まで開催)の最終準備作業で館内はいつもとは異なる熱気に包まれています。大きな看板も外に建てられて、開催を待つばかりです。(nimo)
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