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現在、美術展示室では「太平記の時代」というテーマで当館の誇る太平記絵巻の一部が展示されています。今回のプレミアム講座では、学芸員として当初の県立博物館時代の勤務から関わってこられた池田伸子主任学芸員に、この絵巻が収蔵され、研究、展示、修理がなされてきたウラ話を伺いました。出席者は55名でした。
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1318年から50年間の南北朝時代の動乱を主とした記述本の太平記のエピソードを抜粋して絵巻に仕立てたとされる「太平記絵巻」は、12巻から成ります。その内、巻第一、二、六、七、十の計5巻が当館所蔵の県指定文化財です。他の所蔵先では国立歴民博に3巻、ニューヨーク・パブリックライブラリーに2巻が判明しています。上記の所蔵の経緯に当博物館の積極的な活動を実感します。また、絵巻の制作上の特徴や修理事業についても、日本美術史がご専門の講師から、いくつも興味のあるお話を伺えました。
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収蔵が巻第一、七、二の順に3巻に達した1996年に特別展「太平記絵巻の世界」を当館で開催しており、当時の図録を2階のショップで販売しています。その後の新たな収蔵や修理事業を通じてさらに新たな知見が増えているそうですから、この図録が現状のすべてを表している訳ではないものの、絵巻の美しく生き生きした表現をじっくり眺めることができ、太平記の時代背景も知るには好適なものでしょう。(nimo)
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