閑静な山中に端正な佇まいを見せる小山寺三重塔
小山寺は富谷山の中腹にある天台宗の寺院で行基開基の伝承を持つ古刹です。現在は富谷観音の名で親しまれています。麓からの参道は600段を超す石段を登ることになりますが今日は勿論車道で山門下へ直行
塔は室町期の寛正6年(1465)に建立され、幾多の苦難を乗り越えて今日に遺された重要文化財です。平成3年から2年がかりの解体修理で建立当時の姿に戻され、その姿の良さは東日本中で一級品と評されています。
楽法寺参道
楽法寺の磴道と名付けられた参道石段。120段以上ありながら自然に足が進む心地よい登りの道でした
楽法寺多宝塔
楽法寺は雨引観音の名で知られる安産子育て祈願でお参りする人の絶えない名刹です。伽藍中央に建つ多宝塔は嘉永6年(1853)黒船来航の年に建てられました。多宝塔は日本固有の木造仏塔で円形の塔身と宝形の屋根が折りなすバランスの妙は堂宮大工の腕の見せ所で、それだけに難しかったのか東日本には分布の少ない仏塔です。その中で規模の大きさでは、全国でもトップクラスに入る雄大な塔でした。
真壁の町並みを案内するボランティアガイドさん
近世の町割りがそのまま残る真壁の町並みを小グループに分かれて4人のガイドさんに案内していただきました。何代も続くお店のご主人にお話を聴いたり、町おこし、活性化に奮闘されるリーダーの苦労話に感動したり
町と人とにふれあえた一刻でした。アクセスも良くなってきたので最もにぎわうひな祭りの3月にはまた再訪したいものです。
つくばみらい市板橋不動院伽藍全景
帰途立ち寄ったつくばみらい市の板橋不動院にも江戸中期建立(安永八-1779)の三重塔があります。こちらも平成五年から二年をかけて修復され彫刻・彩色の豊かな華麗な建立当時の姿を見ることが出来ました。
このように木造の建造物は手入れさえ怠らなければ法隆寺のように後世に遺していけます。ひるがえって平成に生きる私たちが建てた建造物のうち五百年、千年後に遺るものは有るのでしょうか。そんなことも考えさせられたツアーでした。(kin)